世界が抱える教育問題と課題・対策について
日本では義務教育の制度があるため、初等教育純就学率はほぼ100%です。
しかし、世界では教育を受けられない子供たちがたくさんいます。
ここでは、世界が抱える教育問題とそれに対する課題・対策についてまとめました。
世界が抱える教育問題とは
世界、とくにアフリカを中心とした発展途上国では、多くの教育問題を抱えています。
ここでは、主な世界の教育問題をご紹介します。
就学率
世界には、教育を受けられない子供たちがたくさんいます。
その数は約6100万人だといわれており、とくにアフリカの南の地域は就学率が低いといわれています。
教育を受けられない理由としては、貧困で授業料が支払えない、家事や水汲みなどの労働をしなければいけない、などがあります。
また、紛争が起こっており安心して通うことができないというケースもあります。
識字率
就学率が低い地域では識字率も低く、基礎的な読み書きをすることができません。
例えばニジェールでは、男性の識字率は35%、女性の識字率は15%となっています。
読み書きができないと職探しに影響するのはもちろんのこと、本来であれば受けられるはずの公的サービスも受けることができません。
男女の教育格差
男女で教育格差がある国は、まだまだ多く存在します。
例えば貧困が原因ですべての子供に教育を受けさせられない場合には、男性が優先される傾向があるといえるでしょう。
また、女性が子供のうちに結婚する「児童婚」という慣習がある地域では、女性に教育は必要ないと考える人も多いようです。
教育環境
子供の数に対して学校の数が少なすぎるという地域は数多くあります。
一番近くにある学校が自宅から数十キロ離れている場合には、それだけ教育を受けることも難しくなるといえるでしょう。
また、十分な知識やスキルのある教師がいないという問題を抱えている地域もあります。
世界の教育問題に対する課題
次に、世界の教育問題に対する課題についてみていきましょう。
就学率の向上
発展途上国においても就学率は向上しているといえますが、まだまだ十分だとはいえません。
すべての子供が教育を受けられる世界を実現することが理想だといえます。
男女の教育格差の是正
女性だからという理由だけで教育を受けられない子供がいる現状は、変えていかなければいけません。
人々の男尊女卑の意識を変える必要があるのはもちろんのこと、女性が安心して学校に通える環境を作ることも重要です。
教育環境の整備
教育環境が整っていない国・地域では、教育環境の整備を進めていなかなければいけません。
教育環境といっても、ただ学校を建設すればいいだけではありません。
実際に授業を実施するためには、教師や教材、文房具などの準備も必要となります。
世界の教育問題に対する対策
ここでは、世界の教育問題を解決するためにできる対策についてまとめました。
井戸・給水タンクの設置
井戸や給水タンクがあれば、子供たちは時間をかけて水汲みに行く必要がありません。
井戸や給水タンクの設置によって学校に通う時間を作れるようになる子供は多いといえるでしょう。
啓発活動
男女の教育格差をなくすためには、女性への教育の重要性を説く啓発活動が必要となります。
女性が男性と同じように教育を受けられる環境を整えることは、本人にとってプラスになるのはもちろんのこと、国の発展においても重要なポイントとなります。
学校の建設
世界には、学校まで何時間も歩いて通っているという子供たちがたくさんいます。
このことが子供たちの負担になるのはもちろんのこと、通学途中で事故に遭うケースもあります。
子供の人数に見合った数の学校を建設する必要があるといえるでしょう。
教師の育成
教育環境が整っていない地域では、質の高い教師を確保することもままなりません。
そのため、教師の育成は必要不可欠です。
現地での教師育成が困難な場合には、外部から教師を招くという方法もあります。
寄付
発展途上国の子供たちが教育を受けられる環境を整備するためには、多くの資金が必要となります。
そのため、支援団体では寄付を募っています。
集まった寄付は、学校の建設や教師の育成、教材・文房具の購入などに使用されます。
ボランティア
私たちが最も手軽にできる支援は支援団体への寄付ですが、ボランティアという形で支援することも可能です。
世界の教育問題について人々に伝えたり募金の呼びかけを行うことで、教育問題の解決に貢献することができます。
すべての子供たちが教育を受けられる世界を実現するために
世界を見渡すと日本以上に多くの教育問題があり、すべての子供たちが平等に教育を受けられる世界の実現は決して簡単ではないといえるでしょう。
しかし、現在の状況を改善していくためには私たち1人1人のサポートが必要不可欠です。
無理のない範囲でできることから始めることが大切だといえるのではないでしょうか。