日本が抱える人身取引に関わる人権問題について

「人身取引」というと、遠い昔の出来事のように感じるかもしれません。

しかし、実際には現在でも当たり前のように人身取引が行われているという現実があります。

身近なところにも、人身取引によって苦しんでいる人がいるかもしれません。

ここでは、人身取引に関わる人権問題の概要や課題、対策方法などについてまとめました。

被害に遭う人を1人でも減らすためにも、人身取引に関わる人権問題について理解を深めていきましょう。

人身取引に関わる人権問題とは

人身取引に関わる人権問題について詳しく知らないという方もいるかもしれません。

ここでは、人身取引の概要および人身取引の実例についてご紹介します。

人身取引とは

人身取引は「トラフィッキング」とも呼ばれており、社会的・経済的に弱い立場の人間に強制的に労働や売春をさせることをいいます。

人身取引の被害者の大半は女性や子供だといわれており、国際犯罪組織によって人身取引が行われる場合もあります。

多くの人身取引被害者が最終的に日本にたどり着くことから、日本は国際社会の中で批判を浴びています。

人身取引は重大な人権侵害であり、被害者は深刻な精神的・肉体的苦痛を受けることになります。

だからこそ、人身取引を撲滅するための取り締まりを行うことが重要となります。

人身取引の実例

人身取引には、様々な例があります。

以下では、具体的な人身取引の例をみていきましょう。

フィリピン女性が売春や性サービスを強要される

日本で高収入を得られる仕事があるといわれて来日した女性が、自身も知らないうちにいつの間にか売られており、売春や性サービスを強要されます。

女性は、雇用主に脅され、監視されながら毎日を過ごします。

パスポートを取り上げられて労働させられる

ダンサーとしての仕事があるといわれて来日した外国人女性が、実際はダンサーではなくホステスの仕事だという説明を受けます。

パスポートを取り上げられたため帰国することもできず、少ない給料で接待の仕事を強要されます。

好きな相手に利用されて援助交際を強要される

SNSで知り合った男性と交際に発展したものの、お金に困っているという相談をされます。

知り合った男と「別れない」という約束をする代わりに、見知らぬ男との援助交際をしてお金を渡すことを強要されます。

児童が性的サービスを強要される

満18歳に満たない児童がアルバイトに応募したところ、店が性的サービスを提供していることが分かります。

出入り口にかぎを掛けられて店から出られない状況で、男性客に身体を触らせることを強要されます。

人身取引に関わる人権問題の課題

ここでは、人身取引に関わる人権問題の課題についてみていきましょう。

人身取引に関する理解を深める

人身取引に関して1人1人が理解を深めることが、人身取引に関わる人権問題を解決する第一歩だといえます。

まずは、どのような問題が起きているのかについて正しく理解することが大切です。

国レベルでの対策を行う

日本では長い間人身取引に関する問題があったにもかかわらず、日本政府は真剣に対策を講じてきませんでした。

そして、そのことが国際的にも非難されています。

人身取引の問題を解決するためには、国レベルでの対策を強化することが欠かせないといえるでしょう。

人身取引に関わる人権問題の対策方法

ここでは、人身取引に関わる人権問題の対策方法についてご紹介します。

人身取引に関する啓もう活動を行う

日本で人身取引の問題があることを知らないという人は、残念ながら非常に多いといえます。

だからこそ、人身取引に関する啓もう活動を積極的に行うことが大切です。

人身取引について理解がある人が多くなれば、人身取引の被害者を減らすことができるといえるでしょう。

助けを求めている人がいたらすぐに通報する

加害者の監視下に置かれている状態、または脅されている状態で、自ら助けを求められない人はたくさんいます。

そのような人に出会ったら、すぐに警察に通報しましょう。

迅速に行動することで、被害者の安全を確保することができます。

被害者かもしれないと思ったらすぐに助けを求める

自分自身が人身取引の被害者になる可能性もあります。

しかし、はじめは被害に遭っているかどうか半信半疑かもしれません。

とはいえ、対処が遅れれば遅れるほど被害は大きくなります。

もしかしたら人身取引の被害者なのかもしれないと思ったら、すぐに助けを求めるようにしましょう。

1人1人が理解を深めることが大切

人身取引は、決して許されるべきことではありません。

しかしながら現実には多くの人が人身取引によって苦しんでおり、助けを求めています。

だからこそ、被害者を救うため、被害に遭う人を減らすためには私たち1人1人が人身取引に関して理解を深める必要があります。

まずは人身取引に関わる人権問題について関心を持つということが、人身取引のない環境づくりにつながるといえるのではないでしょうか。