食品ロス削減に、今私たちができること

食品ロスとは、まだ食べられる食品を廃棄することです。

食べ物を捨てることはもったいないことであるだけでなく、環境に対しても大変悪い影響を及ぼします。

日本における食品ロスの現状

日本における食品廃棄物は年間2,531万tとなっており、そのなかでまだ食べることができるのに廃棄される食品ロスの量は、農林水産省によると2018年の推計値では年間600万tとなっています。

600万tとは、日本人一人当たり毎日お茶碗一杯のゴハンを捨てているのと同じ量です。

そう考えると、いかに食品を無駄にしているかが実感できるのではないでしょうか。

日本の場合、消費者が豊かであるが故の家庭由来の廃棄と、小売店からの廃棄のどちらも高い水準となっており、残念なことにこの数字は、世界における食品廃棄率でトップクラスとなっています。

「2030アジェンダ」のSDGsターゲット

「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」、Sustainable Development Goals、通称SDGsのターゲットの1つに、世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減するという内容が盛り込まれています。

日本でも、食品ロス削減に向けた取り組みを国民運動として推進するべく、2019年に食品ロス削減推進法が施行されました。

2種類の「食品ロス」とは

続いて、食品ロスとはどのようなものであるか、具体的に見ていきましょう。

食品ロスはレストランやスーパーなどの事業活動に起因する「事業系食品ロス」と、各家庭から発生する「家庭系食品ロス」の2種類があります。

事業系食品ロス

スーパーやレストランなどで発生する食品ロスを「事業系食品ロス」といいます。

家庭系食品ロス

家庭で発生するものを「家庭系食品ロス」と呼びます。

では、具体的に家庭系食品ロス・事業系食品ロスを削減するために、私たちが日々実行できる取り組みにはどのようなものがあるのでしょうか。

キーワードとなるのは「作りすぎない」「買いすぎない」「食べきる」です。

・買いすぎを防ぐ

「これも安かったから」と、つい買い物かごに商品を入れていませんか?

安かったから、と購入しても、料理に使わずに食品を悪くしてしまった経験がある人は、多いと思います。

それは、買いすぎです。

買いすぎを防ぐために、買い物リストを作成してからお店に行くようにしましょう。

買い物リストを作成する際に、今後3日、1週間の献立をざっくりと決めておくと、購入する必要がある食品だけを購入しやすくなり、買いすぎを防ぐことができます。

・賞味期限の短い食品を手に取るようにする

「少しでも賞味期限の長いものを」と、棚の奥から商品を手に取ってしまう人も多いのではないでしょうか。

店側としては、極力食品ロスを減らすために、賞味期限の短いものが手前にくるように陳列しています。

商品を取る際に陳列棚の手前から選ぶことも、食品ロス削減に役立ちます。

・賞味期限まで日がなく、値引きされている商品を選ぶ

賞味期限までの期間が短いと、商品を見切り品として割引価格で販売するスーパーやコンビニエンスが増えています。

賞味期限が短いとはいえ、食べても問題ない商品ですから、そういったものを購入することも、店側の食品ロスを減らす助けになります。

・梱包資材が傷んでいても、食品自体に問題がなければ気にしない

梱包資材に傷がついていると、購入を躊躇する人も多くいますが、梱包に傷がついた商品を購入しない人ばかりになってしまうと、なかに入っている食品に問題がなくても次第に売れ残りとして傷んでしまい、廃棄につながるケースもあります。

大切なのは、食品自体の状態です。

購入の際には、資材の傷よりも、食品の状態を検討してみてください。

・レストランで飲食する際には食べきれる分量をしっかり検討する

レストランで食事をするときに多く注文しすぎてしまい、食べ残しを出すのも、食品ロスとなります。

食事をする際には、人数と食べきれる分量をしっかりと検討して、注文するようにしましょう。

・食品ロスに積極的に取り組んでいるレストランを選ぶ

レストラン自体が食品ロスに積極的に取り組んでいる店を選ぶことで、その活動を応援することができます。

現在は感染症の問題もあり、持ち帰りは見合わせているレストランが多いのですが、例えば食べ放題のお店でも「食べきれる分量だけお取りください」と注意書きが書かれているレストランは、食品ロスに対する意識が高いお店です。

食品ロス活動を応援する意味でも、そういったレストランを選ぶようにしましょう。

意識を変えれば未来が変わる!小さな努力を一人ずつ

食品ロスをなくすためには、一人ひとりの意識がとても重要です。

食品を購入・注文するときには、適切な量であるかをしっかりと見極める習慣をつけましょう。

日本、そして世界中の人たちが少しずつ意識を変えていくことで、未来を変えることができます。

一人ひとりの小さな努力で、大きな成果を未来に残せるように、取り組みましょう。