世界で起きている難民問題と私たちにできること
世界では様々な社会問題が起きています。
そして、その中でも深刻な問題として難民問題が挙げられます。
ここでは、難民問題の現状や難民問題に対する課題、難民問題の解決のために支援団体が行っていること、そして私たちができることについてまとめました。
ぜひこの機会に、難民問題について考えてみてはいかがでしょうか。
難民とは
難民とは、紛争・内戦や宗教問題、人種問題、差別、自然災害など様々な理由によって生命の危機に面し、国外に逃げざるを得なくなった人々のことを指します。
現在、世界の難民の数は約2500万人に上るといわれています。
また、国内で別の地域に逃れる人々は国内避難民と呼ばれ、約4000万人が国内で安全な場所に避難しているといわれています。
しかし、国外や国内の他の地域に逃れたからといって安心・安全な生活を送ることができるわけではありません。
多くの難民は衣食住の確保に苦労しており、病気の際にも満足の医療を受けられずにいます。
苦労して自国を逃れたにもかかわらず命を落としてしまう人々も多く、難民に対する支援体制は十分ではないのが現状だといえるでしょう。
世界の難民が多い国
難民が多く発生する地域としては、東南アジア、中東、アフリカなどがあります。
その中でも特に難民が多い国としては、以下が挙げられます。
シリア
世界で最も多くの難民が発生している国はシリアで、その数は約670万人だといわれています。
これは、シリア戦争が起きたことが原因です。
シリアの難民の多くは、トルコやヨルダン、レバノン、ドイツなどに避難しており、国内の安全な地域に移動している人々もいます。
ミャンマー
アジアの国々の中で最も難民が多いのはミャンマーで、その数は約110万人です。
ミャンマーの難民の特徴としては女性と子供がほとんどであることで、その原因は政府とロヒンギャ武装勢力の間で起こった武力衝突です。
避難先としてはバングラディシュが多いものの、バングラディシュはモンスーンによる被害が多く発生する地域であり、2019年には難民キャンプが大きな被害を受けました。
南スーダン
南スーダンは、キール大統領派とマーシャル前大統領の間で起こった対立が引き起こした紛争によって多くの難民が発生しました。
難民の数は約230万人だとされており、多くの難民はエチオピアやスーダン、ウガンダなどに避難しています。
イエメン
イエメンは世界で最も貧しい国だといわれており、さらに2015年には政権軍と反政府勢力の間で軍事衝突が起こりました。
これによってイエメンは危機的状況に陥っており、国内避難民は200万人に上るといわれています。
さらに難民の食糧難も深刻であり、餓死の危険がある人々の数は1300万人以上だと考えられています。
難民問題に対する課題
難民問題の理想的な解決方法は、母国が安心して暮らせる環境になることだといえるでしょう。
しかし、紛争などの問題を解決するのは簡単ではありません。
そのため、受け入れ国で安心して暮らせる環境を整えることが重要な課題だといえます。
多くの難民が抱えている問題として、食糧難が挙げられます。
食糧難が起きている場合には、質の高い栄養を摂取できる食糧の提供が不可欠だといえるでしょう。
また、難民キャンプの衛生環境の改善も重要な課題だといえます。
衛生環境を改善することによって感染症が減るため、多くの命を救うことにつながります。
そして、教育問題です。
難民の子供たちの多くは、十分な教育を受けることができません。
これは生活のために働かなければいけないこと、教育を受けられる環境がないことなどが原因です。
難民の子供たちがしっかりと教育を受けられる環境の整備も、大きな課題だといえるでしょう。
難民問題に対して私たちができること
難民は、様々な形での支援を必要としています。
食糧や水、医療をはじめ、安心して生活できる環境を整えるために多くの物を提供しなければいけません。
しかし、多くの人にとって現地に出向いて難民の支援をすることは現実的ではないといえるでしょう。
直接的な支援が難しい場合に行えることとしては、寄付や募金が挙げられます。
寄付や募金はインターネットで簡単に行うことができるため、手間はかかりません。
毎月定額を寄付・募金することも可能ですが、1回のみの寄付も可能です。
たとえ少額でも、多くの人が寄付をすれば大きな支援をできる金額になります。
ぜひ難民支援をしている団体への寄付を検討してください。
難民問題を理解してできる支援をしよう
難民問題は、日本人である私たちにとっては身近な問題ではないかもしれません。
しかし、世界には日々の生活に苦しんでいる難民がたくさんいます。
衣食住の確保も難しい中で命を落としてしまう難民も少なくありません。
そして、難民問題の解決するためには多くの支援が必要となります。
ぜひこの機会に、無理のない範囲での支援を始めてみてはいかがでしょうか。