北朝鮮当局によって拉致された被害者の人権問題について

現在の国際社会では、国内のみならず他国との間でも様々な問題が発生します。

そして、北朝鮮当局によって拉致された被害者の人権問題は私たちが向き合わなければいけない大きな問題の1つだといえるでしょう。

ここでは、北朝鮮当局によって拉致された被害者の人権問題の概要や課題、また対策方法などについてご紹介します。

北朝鮮による拉致被害者の人権問題とは

1970年代から1980年代にかけて、多くの日本人が北朝鮮当局によって拉致されました。

拉致被害者として認定されたのは合計17名で、2002年の第1回日朝首脳会談で北朝鮮が日本人拉致を認めたのち、5名は日本への帰国しました。

しかし、残りの12名はいまだに日本に帰国できずにいます。

また、認定された17名以外にも拉致被害者がいる可能性は大いにあるといえます。

北朝鮮による拉致被害者の1人が当時中学生の横田めぐみさんで、1977年に拉致されて以降、現在も帰国できないままでいます。

日本は、北朝鮮による拉致被害者の救済に全力を尽くす必要があるといえるでしょう。

北朝鮮による拉致被害者の人権問題に関する課題

では、北朝鮮による拉致被害者の人権問題を解決するための課題としては何が挙げられるでしょうか。

ここでは、北朝鮮当局による人権問題に関する課題を2つみていきましょう。

北朝鮮当局による人権問題に関する理解を深める

真っ先に挙げられる課題は、北朝鮮による拉致被害者の人権問題に関する理解を深めるということです。

北朝鮮の拉致問題については多くの人が知っていますが、必ずしも深く理解しているわけではありません。

だからこそ、国民全体としての理解をより深めていく必要があります。

北朝鮮による拉致被害者の人権問題は、簡単に解決できるものではありません。

だからこそ、私たち1人1人が理解を深め、連携していくことが大切なのではないでしょうか。

国の責務や対策方法を明確にする

北朝鮮当局による人権問題を解決するためには、国にどのような責務があるのか、国民は何をすべきなのかを明確にする必要があります。

北朝鮮当局による人権問題は、必ずしも身近な問題ではありません。

どこか遠くで起こっていることのように捉えている人も多いことでしょう。

だからこそ、問題を解決するためには責務や対策方法を分かりやすく提示する必要があるといえます。

北朝鮮による拉致被害者の人権問題に関する対策方法

ここでは、北朝鮮による拉致被害者の人権問題を解決するための対策方法についてみていきましょう。

啓もう活動を行う

北朝鮮当局による人権問題に関する理解を深めるためには、啓もう活動が必要不可欠だといえます。

積極的に啓もう活動を行うことで国民全体の人権問題に対する意識が高まり、協力体制が整いやすくなるといえるでしょう。

12月10日から16日は「北朝鮮人権侵害啓発週間」として設定されています。

しかし、この期間以外にも啓もう活動を積極的に行うことが大切なのではないでしょうか。

法律の整備を行う

現在制定されている北朝鮮当局による人権問題に関する法律としては、「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律(平成十八年法律第九十六号)」があります。

この法律は、北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めること、国際社会と連携しつつ北朝鮮当局による人権侵害問題の実態を解明すること、また抑止を図ることを目的としています。

この法律で定められている国の責務には、北朝鮮当局によって拉致された日本国民の安否などについて広く情報を提供すること、徹底した調査を行い帰国の実現に対して最大限の努力をすること、北朝鮮当局による人権侵害問題に関して国民世論の啓発を図ることなどが含まれます。

また国際的な連携の強化についても規定されており、外国政府や国際機関との情報の交換、国際捜査共助、その他国際的な連携の強化などについて明言されています。

日本国内で起こった問題ではないからこそ、解決のためには国際協力が必要不可欠だといえるでしょう。

このように、北朝鮮当局による人権問題に関する法律はすでに整備されています。

しかし、現在の法律が問題解決のために十分な役割を果たしていると言い切れるかどうかは難しいところだといえます。

もし現在の法律が不十分な場合には、さらなる法律の整備が必要になるといえるでしょう。

北朝鮮当局による人権問題について1人1人が理解することが大切

北朝鮮当局によって拉致された被害者等の人権問題について考える機会は、多くはないかもしれません。

しかし、北朝鮮当局による人権問題は日本全体で取り組むべき課題の1つだといえます。

まずは、私たち1人1人が北朝鮮当局による人権問題について正しい情報を得て、理解を深めていくことが重要なのではないでしょうか。