世界および日本が抱える貧困問題と課題・対策について
日本を含め、この世界には様々な社会問題が存在し、私たちはそれら1つ1つの問題と向き合っていかなければいけません。
そして、解決しなければいけない社会問題の1つが貧困です。
ここでは、世界および日本が抱える貧困問題とそれに対する課題・対策についてみていきましょう。
世界と日本の貧困問題
世界でも日本でも、貧困問題は深刻な社会問題だといえます。
ここでは、世界と日本が抱える貧困問題についてみていきましょう。
世界の貧困問題
世界では、発展途上国を中心に多くの人が貧困によって苦しんでいます。
世界銀行が2015年に定義した貧困の基準は、1日の収入が1.9ドル以下。これは、日本円に換算すると約210円です。
そして、1日210円以下の収入で暮らしている人が世界にはおよそ7億3600人いるといわれています。
これは、世界人口のおよそ10%。決して少なくない数の人たちが、貧困状態にあるといえるでしょう。
貧困が起こる原因は様々ですが、その1つが国における政治問題・経済問題です。
特に南アフリカの国々では奴隷制度の影響が現在も色濃く残っており、本人の能力にかかわらず貧困状態を抜け出せない人が多くいます。
また、世界各地で起こっている紛争や自然災害、感染症の流行なども貧困を引き起こす原因となります。
貧困に陥った人々の中には、十分な栄養を摂ることができずに餓死をしてしまう人たちがたくさんいます。
しかし、貧困によって起こる問題はそれ以外にも多くあります。
例えば、貧困の家庭では子供たちが幼い頃から働きに出ざるを得ないため、十分な教育を受けることができません。
また、病気にかかった際に適切な医療を受けることも難しいといえるでしょう。
さらに性差別も貧困と関連しており、貧困地域では女子の教育が軽視される傾向にあるとされています。
日本の貧困問題
貧困の問題というと発展途上国を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、日本にも貧困問題は存在します。
貧困には生活の維持が難しい「絶対貧困」と国の生活水準を下回る「相対貧困」の2つに大別されますが、日本における貧困の多くは相対貧困だといえるでしょう。
日本の貧困率は先進国の中で非常に高く、中国、アメリカについて3番目となっています。
特に母子家庭や父子家庭では貧困率が高く、2015年のひとり親世帯の貧困率は50.8%でした。
ひとり親世帯のおよそ半数が貧困状態にあるのは、決して無視できない問題だといえます。
さらに、日本では現在所得格差が広がっています。
所得格差は少子高齢化や単身世帯の増加によって広がるといわれているため、日本の貧困問題は今後さらに深刻になっていく可能性が高いと考えられるのではないでしょうか。
世界と日本の貧困問題に対する課題
ここでは、世界と日本の貧困問題に対する課題をみていきましょう。
所得の再分配
所得の再分配とは、経済的に豊かな人々の所得を使って社会保障などの形で貧困で苦しんでいる人々の生活を手助けすることをいいます。
貧困をなくすためには、所得の再分配が正常に機能していることが必須だといえます。
啓もう活動
大きな社会問題である貧困問題ですが、具体的にどのような問題が起きているのかを知らない人はたくさんいます。
貧困問題の現状を多くの人に伝えることは、問題解決の第一歩だといえるのではないでしょうか。
炊き出し・その他の支援
貧困状態にある人々を直接支援することも大切だといえます。
食事の支援や教育の支援などをすることで、貧困状態にある人々が安心して生活できる環境を整えられるといえるでしょう。
世界と日本の貧困問題に対する対策
貧困問題は簡単に解決できるものではないかもしれませんが、私たちが力を合わせて対策をすることによって状況を改善していくことは可能です。
ここでは、世界と日本の貧困問題を解決するために私たちができることについてまとめました。
ボランティア
貧困問題に関する講演会などを開けば、それだけ多くの人が貧困問題に目を向けるようになります。
また、近くで炊き出しが行われていれば貧困状態にある人々にとって大きな助けになるといえるでしょう。
ボランティア活動は、貧困状態にある人たちを支えるために欠かせないといえます。
寄付
自分自身でボランティア活動をする時間が取れないという人は、寄付をしてみてはいかがでしょうか。
少しの寄付でも、多くの人から寄付が集まればかなりの額になります。
また、着られなくなった服の寄付なども大きな支援になります。
貧困問題を理解してできることをすることが大切
自分自身が貧困問題に直面していない場合には、貧困問題について深く考える機会は少ないかもしれません。
しかし、今現在も世界で多くの人たちが貧困で苦しんでいます。日々の生活もままならず、今日明日の食事の用意に四苦八苦する人は少なくありません。
このような深刻な貧困問題を解決するためには、私たち1人1人が自分事として考えたうえで行動することが大切です。
貧困問題の解決のために動く人が増えることによって、世界および日本の多くの人が助かるといえるのではないでしょうか。