日本のゴミの埋立場がなくなる!?ゴミの埋立問題の原因と対処法

現在、私たちは様々な環境問題に直面しています。

そして、その中でも身近な問題だといえるのがゴミの埋立問題です。

日本で年間で排出されるゴミの量は、家庭ゴミ5500万トン、産業廃棄物400万トン。

世界で一番焼却炉の数が多い日本ではゴミを最小限の大きさにしてから埋め立てていますが、それでもゴミの埋め立て地は飽和状態に近づいています。

ここでは、ゴミの埋立問題の原因や将来起こり得る問題、それに伴う課題などについてまとめました。

また私たちがするべきことについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ゴミの埋立問題の原因

日本におけるゴミの埋立問題には、様々な原因があります。

ここでは、主な原因についてみていきましょう。

耐久消費財の買い替え

電気製品や家具、自動車・自転車などの耐久消費財は、以前は高価な物でした。

しかし、現在では多くの人が気軽に購入することができます。

そのため買い替えの頻度が高くなり、結果として耐久消費財の廃棄も増えています。

使い捨て商品の増加

多くのメーカーでは、様々な種類の使い捨て商品を販売しています。

日常生活の中では非常に便利な使い捨て商品ですが、使い捨て商品が増えれば増えるほどゴミが増えることはいうまでもありません。

使い捨て商品によるゴミの量は、決して少なくないといえるでしょう。

店舗による過剰包装

日本は海外諸国に比べて過剰包装だとよくいわれます。

多くの包装材を使用することによって、必要以上にゴミが排出されているといえるでしょう。

海外諸国でのゴミの輸入の禁止

以前は、日本はゴミを海外に輸出することで埋め立て地の飽和を避けていました。

しかし、2018年には中国がゴミの輸入を禁止し、他のアジア諸国においても規制が厳しくなりました。

これによって、日本のゴミの埋立問題はさらに深刻化したといえます。

埋め立て地を増やすことが難しい

「埋め立て地が飽和するのであれば新しく作ればいいのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、埋め立て地を増やすことは現状では難しいといえます。

適切な土地を見つけることが難しいほか、環境への影響や周辺住民の意見も無視できません。

新しく埋め立て地ができることに期待することはできないといえるでしょう。

ゴミの埋立問題が進むと現れる問題

現在のペースだと、日本のゴミの埋め立て地は約20年で満杯になるといわれています。

では、その場合にはどのような問題が起きるのでしょうか。

不法投棄の増加

今のように自由にゴミを捨てることが難しくなると、不法投棄が増加すると考えられます。

また、許可を得ずにゴミを焼却する人も出てくるといえるでしょう。

このことが環境に悪影響を及ぼすことはいうまでもありません。

悪臭などの公衆衛生問題

ゴミが溢れかえると、悪臭などの公衆衛生問題が生じるようになります。

実際に、ゴミの埋め立て地が満杯になった韓国の義城群では大量のゴミによって火災が発生し、悪臭や有害ガスなどの問題が起こりました。

水質・地質汚染

埋め立て地が満杯になると、ゴミによる水質汚染や地質汚染も起こり得るといえます。

私たちが毎日摂取している水や食べ物の安全性にも影響が出るといえるでしょう。

ゴミの埋立問題に伴う課題

ゴミの埋立問題に対する課題として真っ先に挙げられるのは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)です。

これらはまとめて3R(スリーアール)と呼ばれており、ゴミの埋立問題の解決のためには欠かせないといえます。

Reduce(リデュース)とは廃棄物の量を少なくすること、Reuse(リユース)とは製品を捨てずに何度も繰り返し利用すること、そしてRecycle(リサイクル)とは廃棄物を別の形で有効活用することをいえます。

そして、3Rは様々な形で実践することができます。

ゴミの埋立問題に対して人類がすべきこと

ゴミの埋立問題は非常に深刻な問題であり、だからこそ1人1人が意識して対策を行う必要があります。

ここでは、私たちができる具体的な対策をご紹介します。

ゴミの分別の徹底

日常生活の中で、ある程度ゴミが発生することは避けられません。

しかし、できる限りリサイクルすることで最終的なゴミの量を減らすことは可能です。

ゴミ出しをする際には、ゴミの分別を徹底しましょう。

ゴミになる物を購入しない

そもそもゴミになる物を購入しなければ、出すゴミの量も少なくて済みます。

新しく物を購入する際には、長く使える物やリサイクル可能な物を選びましょう。

修理して使用する

壊れた物をすぐに廃棄して新しい物に交換する人は少なくありません。

しかし、少しの修理で使い続けられることは多々あります。

廃棄する前に、まずは修理を検討するようにしてください。

1人1人がゴミの埋立問題に向き合うことが大切

ゴミの埋立問題は避けられない問題であり、今後はさらに深刻度が増していくといえます。

だからこそ、今のうちから私たち1人1人がゴミの埋立問題について正しく理解したうえで、できることから取り組んでいくことが大切だといえます。

まずは、日々の生活の中でできることを探してみてはいかがでしょうか。