オゾン層破壊が我々に与える影響とは?人類が採るべき対策
オゾン層は地上10キロから50キロのところに存在し、有害な紫外線から我々を守る役割を果たしているものです。
人間を含め地球上の生物が繁栄していられるのは、オゾン層のおかげと言えます。
しかし、1980年代あたりからオゾン層破壊が問題視されるようになってきました。
では、オゾン層破壊が我々にどんな影響を与えるのか、それに対して我々はどんな対策を講じるべきなのか解説していきます。
オゾン層破壊の原因
オゾン層はCFCなどのフロンガスによって破壊されていることが知られています。
しかし、1980年代あたりまでは、それがはっきりとは分かっていませんでした。
CFCは1928年に人工的に作り出された物質で、化学的に非常に安定しています。
CFCの代表的な使用例は、エアコンや冷蔵庫の冷媒です。
他にもヘアスプレーや建物の断熱材など身近で幅広く使われていました。
企業や一般家庭から大量のフロンガスが排出されていたということです。
現在ではCFCよりもオゾン層への影響が小さいHFCなどの代替フロンと呼ばれる物質が代わりに使われています。
しかし代替フロンもオゾン層を全く破壊しないというわけではありません。
そのため、現在でもオゾン層は破壊され続けているということになります。
オゾン層破壊は我々にどんな影響を及ぼすのか
太陽から地球に常に紫外線が降り注いでいますが、その紫外線のうちUV-BとUV-Cがオゾン層により吸収されています。
オゾン層が破壊されることで、このUV-BとUV-Cが地表に降り注ぐことになるのです。
この2種類の紫外線の中でもUV-Cは非常に危険で、人間を含むほとんどの生物の命が脅かされます。
地球上に生物が存続できなくなってしまうでしょう。
ただ、現時点ではUV-Cはまだ地表に到達するには至っていません。
UV-Bの方はUV-Cほど大きな危険はありませんが、既に少しずつ地表への到達量が増えてきています。
その量が増えてきた場合に懸念されるのは次のような影響です。
皮膚がんや白内障のリスクが高まる
UV-Bを浴びて直ちに危険に晒されるわけではありませんが、長期間にわたって浴び続けることで、少しずつダメージが蓄積していきます。
特に肌への影響は大きいです。
これまでよりも日焼けしやすくなり、皮膚がんのリスクも高まるでしょう。
また、UV-Bは目への影響も大きいとされています。
そのため、白内障の原因となる可能性も高いです。
白内障は高齢になればほとんどの人が発症しますが、UV-Bが増えることで、発症年齢が早まってしまうかもしれません。
UV-Bが少ない場合と比べて失明のリスクも高まるでしょう。
肌のシミ・シワ
年齢を重ねるごとに、肌にシミやシワなどが増えてくるでしょう。
こうしたシミやシワは長年にわたって浴び続けたUV-Bの影響が大きいとされています。
そのため、オゾン層破壊でUV-Bの量が増えれば、シミやシワも増える可能性が高いでしょう。
免疫機能の低下
UV-Bは免疫機能にも影響を与えるものとされています。
免疫力が弱まると、身体がウイルスや細菌などに抵抗できなくなり、感染症にかかりやすくなってしまうでしょう。
風邪もひきやすくなってしまいます。
我々が採るべき対策
オゾン層破壊の現状とその影響を考慮し、オゾン層破壊を防止するための対策を講じなければなりません。
また、それと併せて紫外線から自分を守るための対策も必要です。
オゾン層破壊を防止するための対策
オゾン層破壊の主な原因とされるフロンに関しては、既にオゾン層保護法やフロン排出抑制法などにより規制が行われています。
主にフロン類の製造や輸入を制限し、メーカーに回収義務や漏洩した場合の報告義務などが課すという内容です。
また、代替フロンに関しても2019年からは規制の対象に加えられています。
今後はエアコンや冷蔵庫などでノンフロンの冷媒が使われることになっていくでしょう。
我々も代替フロンが使われている製品の使用はできるだけ控えるのが望ましいです。
既に増加している紫外線から守るための対策
紫外線がなるべく肌や目に当たらないようにすることで、紫外線の影響から身を守ることができます。
具体的には、外出時にはなるべく長袖の衣服を着て肌の露出を控えるようにしましょう。
木綿やポリエステルなどの素材でできている衣服なら、紫外線を通しにくく肌を守るのに役立ちます。
夏場は長袖だと熱中症のリスクが高まるため、腕に日焼け止めクリームなどを塗るようにしましょう。
顔などにも塗っておくのが望ましいです。
また、日傘を差したり帽子をかぶったりすることで、頭を紫外線から守れます。
大きなつばが付いている帽子なら、顔に当たる紫外線の量も減らせるでしょう。
目を紫外線から守るには、サングラスや紫外線カット付きのメガネをかけるのが効果的です。
まとめ
オゾン層はUV-BやUV-Cなどの有害な紫外線を吸収し、我々を守ってくれる役割を果たしているものです。
しかし、フロンガスによりオゾン層が破壊されています。
これにより、有害な紫外線が降り注ぎ皮膚がんのリスクなどさまざまな悪影響が出てくるでしょう。
そのため、フロンガスを規制し、代替フロンやノンフロンへの転換が図られています。
そして、我々はひとりひとりもオゾン層に優しい製品を選んで使うことが大切です。
それと併せて、紫外線から身を守るようにしていきましょう。